『巨獣特捜ジャスピオン』全46話、見終わりました

俺が俺が俺が正義だ!

有無を言わせない主張が潔い主題歌でおなじみ(?)なのが、1985年に放送されていた特撮ヒーロー番組『巨獣特捜ジャスピオン』

年がバレバレですが、僕も子供の頃、好きでよく観てました。
しかし当時は、DQN祖母に預けられていて満足に好きなテレビも見せてもらえない環境だったので、運が良ければ観れる、くらいの感じでしたが(´・ω・`)

で、最近になって、アマゾンプライムビデオで全46話が配信されていることを知って、4月からちょこちょこと見ておりまして。
ようやくつい先日、全話通して見終わりました(≧∇≦)/

改めて今観るとさすがに古臭いというか、昭和の空気をひしひし感じさせるようなところもありますが(´゚艸゚)∴
子供の頃に好きだったことの思い出補正も込みで、とても楽しめました。

銀河に恐怖をもたらす魔神・サタンゴースが目覚め、その影響により各惑星に生息する『巨獣』たちが凶暴化し始める。
サタンゴースの復活を予言していた予言者・エジンは、彼によって惑星エジンで育てられていた青年・ジャスピオンに、メタルテックスーツと巨大戦闘母艦ダイレオン、その他数々の戦闘マシンを与え、サタンゴース打倒の希望を託す。
サポートアンドロイドのアンリと共に惑星エジンを旅立ったジャスピオンは、紆余曲折の末地球へとやって来るが、そこにはサタンゴースの息子・マッドギャランと彼の率いるエイリアン軍団が待ち構えていた……。

この『ジャスピオン』、最近リメイクで映画化されたり、最近の戦隊と共演したりもしている『宇宙刑事ギャバン』『シャリバン』『シャイダー』に続く、『メタルヒーローシリーズ』の4作目

てっきり『シャイダー』の後は、また新しい宇宙刑事シリーズなのだろうと思ってたら、『巨獣特捜』ってナニ!? しかも怪獣もの!?とビックリした人も当時は多かったのではないでしょうか。

実際、スーツのデザインや母艦・戦車・バイクといったメカの系統等は継承しているものの、それまでの宇宙刑事三部作で確立されていたフォーマット(お約束)をあえて踏まえず、新しいヒーロー像を作ろうとした、当時としては意欲作でした。

たとえば、

『蒸着』『赤射』『焼結』といった、宇宙刑事がスーツを纏う時のお約束だった変身コードを叫ばない。またナレーションによる変身プロセスの解説もない。変身方法も両腕を頭にかざすだけというアッサリした感じ。

●主人公のジャスピオンは地球人ではない(らしい)ので、一条寺烈(=ギャバン)のような、変身前の普通の名前を持たず、常にジャスピオンと呼ばれる。(設定段階では『剣城豊』という地球名を名乗る予定だったらしいが、結局採用されなかった)

●毎回メインの敵が等身大の怪人ではなく、ウルトラマンのような巨大サイズの怪獣(巨獣)。一応等身大の敵との戦いもあるが比重は少なく、クライマックスはほぼ毎回、人型に変形する戦闘母艦・ダイレオンに乗って巨獣と戦う。

『魔空空間』『幻夢界』『不思議時空』といった、バトル時のクライマックスに敵側が発生させる異空間で戦う展開を廃止。普通に採石場とか街中とかで戦います。

●敵がちゃんとした『組織』というよりは、ラスボスのサタンゴース(と、実質的な指揮官であるマッドギャラン)に呼び集められた寄せ集めのエイリアン集団という感じで、固定の本拠地のようなものを持っていない。
(一応作戦基地のようなものを毎回いろんな場所に作っているが、決まってジャスピオンに破壊される)

●ジャスピオンのスーツと共通するデザインの、それまでにはなかった『悪のメタルヒーロー』とでも言うべきマッドギャランの存在。ジャスピオンと対になるライバル的キャラということもあって、敵の中では実質的なトップなのによく前線に出てきてジャスピオンと戦う(そして中盤で一度負けて死ぬけど復活する)。

●ラスボスのサタンゴースは中盤まで全くしゃべらない。配下への作戦指揮は息子のマッドギャランが代わりに行い、サタンゴース自体は巨獣を凶暴化させるだけの役割。(さすがにテコ入れが入ったのか中盤以降はちゃんとしゃべるようになったが、やはり終盤まで実質な作戦指揮はマッドギャランに任せていた)

とまあ、こんな感じで、メインの脚本家こそ同じ上原正三さんでしたが、あえて新機軸を狙って、それまでの宇宙刑事三部作とはかなり雰囲気や毛色の違う作風となっていました。
またそうして変えてしまった点こそが、宇宙刑事シリーズの人気のポイントでもあったのか、この『ジャスピオン』は結果としていまいち日本では人気が出ず、知名度が低いまま終わってしまった感があります(´・ω・`)

でも、今改めて見てみると、見どころもたくさんあるんですよ。

●主人公のジャスピオンが、シリアスな性格だった宇宙刑事たちと異なり、『銀河のターザン』という設定通り、陽気で明るくワイルド(悪く言えば大雑把?)なキャラで、演者の黒崎輝氏の剽軽な持ち味とも合っていて、独特の魅力があった。中盤以降はテコ入れのせいか、よりシリアス寄りなヒーロー像になっていったけど(´・ω・`)

地球にたどり着くまでの序盤3話は、いろいろな惑星を巡って宇宙を冒険するスペースオペラ的なテイストで新鮮だった。でもその展開を続けるにはセットや衣装などお金がかかりすぎるのか、4話で地球に来て以降は他の惑星に行くこともなく、比較的普通なヒーロー物のノリに戻った。

シリーズ初の、巨獣VS人型戦闘母艦のダイナミックな巨大戦の導入。戦隊ヒーローでは当時から既に巨大戦はやってたけど、この『ジャスピオン』では劇中のバトルの比重をより巨大戦メインにしている。(戦隊よりはウルトラマン寄り?)
一方、ストーリーの節目節目には、敵側の幹部的ゲストキャラVSジャスピオンによる等身大戦でも見せ場を用意している。

●前述のライバルキャラ・マッドギャランの存在。黒く輝くスーツ(というか人間の時が仮の姿で、メタルスーツっぽい時のが真の姿)でジャスピオンと斬り結ぶ姿がとにかく.。゚+.(・∀・)゚+.゚カコイイ!! 敵側があまりちゃんとした組織ではなく、存在感のある固定の幹部悪役キャラも少ないせいもあってか、悪役側の人気を一手に集めている魅力的なキャラ。

●宇宙刑事シリーズや初期の戦隊シリーズをはじめ、様々な劇伴(劇中音楽)を担当してきた渡辺宙明氏の担当作品の中でも、サントラ・楽曲が群を抜いて名曲揃い。(※個人の感想です)特にバトルシーンや巨獣が暴れるシーンに流れる曲は激熱です。


↑この動画だと、49:52あたりからはじまる緊迫シーン~バトル曲に繋がるサウンドトラックが特に気に入ってます(≧∇≦)/

そしてこの『ジャスピオン』、マニアックなところではキャストも注目。

マッドギャラン役を『大戦隊ゴーグルファイブ』『科学戦隊ダイナマン』2年続けて、初のブラックを演じた春田純一氏が人間態・スーツアクターの両方を演じていたり(やはり今回も黒い戦士役)
最近息子さんがアレな事件を起こして大変なことになっちゃった(当時はまだ無名の)高畑淳子さんが、中盤に登場する幹部・魔女ギルザを演じていたり。
悪のボスの声ですっかりおなじみの声優・飯塚昭三氏が中盤の回で水族館の館長役として顔出しゲスト出演していたり(しかも普通にいい人の役なので優しい声で話す!)、そうかと思えば(やっぱり)サタンゴースの声も担当していたり。

また、日本ではあまりパッとしなかったこの『ジャスピオン』ですが、実はブラジルでは国民的ヒーローと言われるくらいに大人気らしい。
というのも、ブラジルで日本の本格的な特撮ヒーロー番組が放送された初めての作品がこの『ジャスピオン』だったからで、それまでこういうものを観たことがなかったブラジルの子供たち(当時)には大ウケだったみたいです。

そのため現在でも、サッカーとかで日本人の選手が活躍したりすると称賛と尊敬の意を込めて『ジャスピオン』と呼ばれたりするとか。マジっすか(´・ω・`)


↑なんかこんな感じでガチなコスプレしてる人がニュースで取り上げられてたり。

そんなわけで改めて掘り下げて見てみると色々と面白いこの作品ですが、最近公開されたVシネマ『スペース・スクワッド ギャバンVSデカレンジャー』で、なんとマッドギャランが悪役として復活!
僕はまだこちらは観てないのですが、今のところリメイク作に恵まれていないジャスピオンも、いよいよ復活するのでしょうか(≧∇≦)/ぜひしてほしい……。

というわけで、マニアックな話ばかりのエントリーになってしまいましたが、興味のある方はぜひ、ネット配信か、レンタルでDVDを探していただいて、観てみて下さいね(≧∇≦)/

『巨獣特捜ジャスピオン』全46話、見終わりました” に対する意見

  1. 幸うす江

    ジャスピオンは番組途中で放送日が変更になり、後半は塾に行く日でみれなかったんですよ;;(翌年に朝の再放送でみました)

    やっぱり変身コードの廃止とジャスピオン自体の必殺技が番組序盤にはなかったのが微妙な原因かな、と・・・。

    • 風祭 史紀 Post author

      昔は特撮やアニメの再放送、よくやってたし、見逃してもまた見れたりしましたね~。
      僕もゴレンジャーとかは再放送で観てました(≧∇≦)/

      ジャスピオンはダイレオンで巨獣と戦うのがメインだから、等身大戦はけっこうアッサリしてるんですよねえ(特に序盤)。
      そういえばコズミックハーレー使うようになったのは中盤近くになってからかも。
      ブレザーソードをプラズマブレザーソード(蛍光管状態)にしてたのは序盤からだったかなあ?(´・ω・`)

      終盤のマッドギャランとの対決シーンとかは超かっこよかったんですけどね~* ゚ + 。・゚・。・ヽ(*´∀`)ノ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。