前回はMSXのゲームをプレイしましたが、MSXをやったからには、ファミコンのゲームもやらないと! ということで。
今回は大昔に、ゲームショップの片隅で一本200円くらいで並べられていたファミコンの裸カセット群の中から発掘した、このゲームをプレイしてみたいと思います(≧∇≦)/
ファイナルファンタジーシリーズでおなじみRPGの雄・スクウェア(当時)がFF2とFF3の間にこっそり放ったジュブナイルRPG『スクウェアのトム・ソーヤ』です(・`ω´・)ノ
『トム・ソーヤ』と言えば、アメリカの作家マーク・トウェインによって1876年に発表された児童文学の名作『トム・ソーヤーの冒険』の主人公。
このゲームはその『トム・ソーヤーの冒険』を原作にした、ちょっと変わったシステムのRPGです。
当時『ファイナルファンタジー』で上向き調子だったスクウェアが、なぜこんな企画を立てたのか、経緯が気になるところですが……(笑)
ちなみに、タイトルに『スクウェアの~』とついているのは、ほぼ同時期(このソフトが出る9カ月前の1989年の2月)に、セタからもファミコンソフトで『トム・ソーヤーの冒険』というアクションゲームが発売されていたため。
この時期、「トム・ソーヤが売れる!」というようなブームの予兆でもあったのでしょうか……?
物語の舞台は1855年のアメリカ・ミズリー州。
ミシシッピ川流域のセント・ピーターズの街で、弟シッドと共に、伯母であるポリーの家で生活しているやんちゃな少年、トムが主人公。
ある日トムは、親友であるハック、ガールフレンドのエミー、トムの家の下働きで友人でもあるジムたちと共に、見知らぬ街へとやってくる夢を見ます。
彼らの話では、その街には宝物が隠されているのだとか。
しかし、ハック・エミー・ジムは、三人乗りの船に乗り、トムを置いて去ってしまいます……。
という意味深な夢から目が覚めたところで、ゲームスタート。
家の外から始まりますが、とりあえず何をすればいいのかもわからないので、歩き回っていろんな人の話を聞いてみるしかないですね(´・ω・`)
このゲームのフィールド画面(?)は、キャラクターは上下左右に動かせますが、マップは基本左右にのみスクロールする、いわゆるベルトスクロールタイプ。
『がんばれゴエモン』シリーズに似た感じ、といえば何となく伝わるでしょうか。
家に入るとポリー伯母さんと弟のシッドが。
伯母さんは口うるさいながらも、家に帰ってきたトムを休ませてくれます。
このゲームではお金の概念がなく、宿屋も存在しないので、減った体力を回復するには、このポリー伯母さんの家を始めとする、「泊めてくれる人の家」を見つけて、そこで休むことになります。
トムの住むセントピーターズの街は、海賊が隠したという宝物の噂でもちきり。
街の子供たちはおろか、大人までもが宝探しに行く、なんて言い出している有様。
オープニングの夢のシーンからも予想できますが、どうやらこのゲームの目的はその宝を探すことみたいですね。
街の人に話を聞いて回っていたら、何やらクエストを依頼されました。
北の森にいるヘイズ爺さんに手紙を届けてほしい、とのこと。
まずはこれが最初の目的になるようですね。
一人で森へ突入する前に……。
このゲームではRPGらしく、最大4人までのパーティーを組むことができます。
仲間になるキャラはあちこちにいて、ストーリーを進めていくにつれて様々な人物を任意に加えることができるようになるみたい。
まず最初に仲間にできるのは、ポリー伯母さんの家のすぐ近くで掃除をしているジム。
黒人の少年ということみたいですが、それにしてもあんまりなキャラクターデザインですね(;゚Д゚)
そしてもう一人、セントピーターズの街をぶらぶらしているガールフレンドのエミーも仲間に。
エミーは空き家で回復アイテムのパンを拾えるという謎の特技を持つ女子なので、パーティーの回復アイテム補充には欠かせない存在。
前述の通り、このゲームにはお金という概念がなく、宿屋やお店もありません。
アイテムは基本拾うか、誰かからもらうことになります。
パーティーに加えた仲間たちは最初から色々とアイテムを持っていて、それが後々ゲームを進める上で重要になってくることもあるので、所持アイテムもきちんと確認しておきましょう(・`ω´・)ノ
ちなみに、エミーの持つ「パン」はパーティーを回復させるアイテム、トムの持つ「テント」は、フィールド上でセーブするためのアイテムです(体力回復はしない様子)。
というわけで北の森へ。
安全な街とは違い、森には危険な生物がうようよ。
RPGですから、歩いていると当然、敵とエンカウントして戦闘になります。
これがこのゲームの戦闘画面。
手前にトムたち、奥に小さなシルエットで敵が表示されますが、正直この状態では敵がどんな相手かはよくわかりません。
パーティーキャラが敵に攻撃する時は、こんな感じで砂煙を上げつつ敵に突撃していき、ダメージを与えます。
敵から攻撃を受ける時は、敵の方が接近してきて、ここで初めて敵の姿と名前が明らかに。
ちなみに普通のRPGと異なり、なんとこのゲームでのダメージは「1.2のダメージ」と、ダメージ数値が小数点以下まで表示されるのが特徴。
敵を倒しても、経験値などは獲得せず、レベルアップといった概念もありません。
が、戦闘を繰り返す度に、パーティーキャラの最大体力などのパラメーターが伸び、少しずつ強くなります。
戦闘終了後に、具体的にどんなパラメーターがどれだけ上がったかは表示されないので、寝泊まりして体力の最大値が上がってたり、敵に与えるダメージの上昇ぶりなどから、なんとなく判断するしかない様子。
ちなみに、武器や防具といった装備の概念もこのゲームにはないので、普通のよくあるRPGをイメージしていると、色々戸惑うところが多いですね。
森の奥でヘイズ爺さんに手紙を「わたす」(このゲームではちゃんとアイテム画面から「わたす」コマンドを使わないと、人にアイテムを渡したことにならない)と、サウスエンドという街の化け物屋敷?に、例の海賊の宝があるらしい、という話をしてくれます。
なるほど、そこを目指せばいいわけですね(´・ω・`)
というわけで、住み慣れたセントピーターズの街から、サウスエンドの宝を目指して、トムたちは冒険の旅に出ることに……。
ゲームが進むと、カヌーを手に入れて広大なミシシッピ川を移動できるようになります。
しかし川を移動中にも、アリゲーターなど様々な強敵が。
サウスエンドにたどりつくまでにはまだまだ、たくさんの困難が待ち受けていそうです……(´・ω・`)
移動時のキャラクターの大きさや、バトルでの敵のコミカルさ、少年たちが宝探しのために旅に出る、といったいかにも児童文学っぽい感じのストーリーなど、ターゲット年齢層は低めで、あまりゲーム慣れしていないお子様でも楽しめるように、というコンセプトで作られたのかな。
従来のRPGに慣れている人からすると、お金や武具装備、経験値やレベルアップといった、RPGにはお約束の概念がなかったりするのでかなり戸惑いますが、そうした要素を省いた分、RPG初心者にはあまり難しいことを気にせず楽しめる面はあるかもしれませんね。
ゲームの雰囲気は終始明るくコミカルで、旅をする場所も自然豊かなミズーリらしい、なんとものどかな雰囲気の場所ばかり。
もしこのゲームが、ファミコンよりもグラフィック表現の豊かなハードで作られていたら、よりたくさんの素敵な景色が見られたかもしれませんね~。
なんとなく癒し系な感じもする不思議なテイストのRPGです。
FFっぽいシリアスで起伏に富んだストーリーとか、凝ったキャラ育成システムみたいな要素を期待すると肩すかしを食らいそうですが……
スクウェア製だけあってゲーム自体はしっかり作られている感じですし、『マザー』シリーズのような、殺伐としていないノリのRPGを遊んでみたい気分の時にはおススメかもしれませんね(≧∇≦)/
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化け物屋敷が異常にムズいぞ