今回は僕の所有する積みゲーの中でも、おそらく最古の部類に入るのではないかというくらい寝かせまくっていた積みゲーを発掘してプレイしてみたいと思います。
今は亡き、PCゲームの自動販売機『TAKERU』で販売されていたMSXソフト『Dante優秀作品TRANCHE-LARD(トランシェラード)』です!
購入したのはおそらく1991年ごろだったはずなので……( ´゚д゚`)え~と、26年前!?
四半世紀を超える積み期間ですね……(;゚Д゚)あわわわ
で、この『Dante優秀作品TRANCHE-LARD』(以下トランシェラード)、ただでさえマイナータイトルの多いMSXオリジナルのゲームタイトルの中でも、(当時ユーザーだった人でも)知っているのはかなり少ないのではないかと思います(´・ω・`)
『RPGツクール』シリーズといえば、RPGを作れるソフトとして、これを読んで下さってる皆さんもご存じな方は多いのではないかと思いますが……。
その起源を遡ると、その始祖に当たるのが、1990年にMSXマガジン(アスキー)から発売された『RPGコンストラクションツール・Dante』。
当時はプログラミングせずにRPGを作れるソフトなんてもの自体がほぼ皆無だったので、このソフトの登場は物凄いインパクトでした。
で、発売に合わせて、MSXマガジン誌上で『Dante』を使って作られたRPG作品のコンテストが開催され、2作品が賞を獲得、商品化されたんですね。
そのうちの一つが今でも僕のお気に入りの『CROSS KINGDOM』、そしてもう一つの作品がこの『トランシェラード』というわけ。
『Dante優秀作品』と頭についているのは、コンテストで賞を取って商品化されたからなんですね。
そんな特殊な経緯と、元々『Dante』もこのソフトも、前述のPCゲーム自動販売機・TAKERUでのみ販売されていたこともあって、やはりどうしてもマイナーなタイトルでした。
(TAKERUを設置している家電店・パソコンショップは残念ながらさほど多くなかった)
この記事を書いている現時点では、Google検索しても、このゲームの内容説明といった情報はおろか画像すらネット上では皆無なので、今となってはこんなゲームがあったことを覚えている人も少ないのでは。
というわけでまずはゲームを起動すると、タイトル画面の後で、すごく読みにくい長文のバックストーリーが流れてきます。
ゲームの舞台となるのはタイトルにもなっている『トランシェラード』。
かつて、神の恩寵により繁栄した古代人の一人が魔人と化し、それを5人の勇者がクリスタルに封印。
魔人の封印は12個の『スターオーブ』という宝石によって守られ、5人の勇者はそれぞれ『風』『大地』『水』『樹』『炎』を司るシャーマンとなってスターオーブを守る役目をその子孫に代々引き継がせてきた……という感じみたいです。
主人公の少年・ユーグは、その風のシャーマンの末裔。
ある日、スターオーブと魔人のクリスタルが納められたクラナドの神殿の異変に気づいたユーグは、神殿から帰ってこない父を迎えに行くことに。
しかし父は何者かに殺され、12のスターオーブのうち8つがドラ○ンボールを思わせるノリで世界のどこかに飛び散ってしまったとのこと。
このままではクリスタルの封印が弱まり、魔人も目覚めちゃうかもしれない!(たぶん目覚める流れだよねコレ)
というわけで、悲しみも束の間、気丈なママンからの言いつけもあり、ユーグは何処かに散ってしまった8つのドラポ……もといスターオーブの行方を探して、旅に出ることに……。
ゲームシステムは非常にオーソドックスな、ドラクエタイプのRPG。
というよりこのゲームのシステムである『Dante』自体が、そういうタイプのゲームを作るためのコンストラクションツールなので、当たり前といえば当たり前ですが。
町や村では、情報を集めたり、装備を整えたりして冒険の準備を行い……。
町の外のフィールドやダンジョンで、モンスターと戦いつつレベルアップしながら、ストーリーを進めていきます。
旅を始めて、すぐに出逢うのが、最初の仲間であるマウザー。
大地のシャーマンの末裔ですが、MPが少なく肉弾戦に特化した戦士タイプのキャラクター。
しゃべり口調がかなり老人っぽいのですが、年はいくつなのでしょうか……。
マウザーがパーティーに加わると共に、彼が見つけてきたエメラルドは、飛び散ったスターオーブの一つ。
これをクラナド神殿にあるクリスタルの間に納めると、スターオーブの加護で魔法を授かることができます。
最初から残っている4つのオーブからも、それぞれ魔法が得られるので、忘れずに習得しておきたいですね。
そんな感じで冒険を進めていくと、様々なイベントが。
突然街角でモンスターに襲われて、倒したところ、そのモンスターの飼い主の子供から、責任をとって代わりにモンスターの卵を持ってきてと要求されたり……。
突然村人たちが消えてしまった村の事件を調査していたら、いかにも敵っぽい謎の『ネクロマンサー』と遭遇したり……(戦わずに逃げていったので、今後多分また出てきそう)。
人々からアイテムを盗みまくっている魔物『シー』の洞窟で、三人目の仲間・ミルフィーユと遭遇したり。
ミルフィーユは水のシャーマンらしく、MPが多くて魔法に長けているキャラ。
ただしあまりいい装備を身につけられないので、敵に殴られると一発で瀕死にされることもあるのが怖いところ(;゚Д゚)
ゲームバランスは正直厳しめで、「プレイしていたら自然とレベルが上がって強くなっている」というよりは、「新しいエリアに進む度にレベル上げとゴールド稼ぎをして、街で買える最高の装備を整えた段階でようやく次に進める強さになっている」という感じ。
元々の『Dante』のシステム自体も、微妙にもったりとした動作スピードなこともあって、ゲームのテンポはあまり良くないです(´・ω・`)
実は僕も、『Dante』でゲームを1本作ったことがあるんですが、今思うと本当に作りづらくて自由度があまりないツールなんですよね。
仕様上の問題点を挙げていくと
・キャラクターのHPの最大値が上がると、敵から食らうダメージもなぜか増える謎仕様
・攻撃魔法・回復魔法・補助魔法の効果に関する数値が固定されていて、細かいバランス調整ができない
・習得した魔法はパーティー全員で共有されるため、各キャラごとに個別に使える魔法の設定ができず、個性を出しにくい
・敵とのエンカウント率や出現数を調整できない。パーティーが一人の時でも最大6匹まで敵が出る
・アイテム、魔法名が7文字まで(濁点含む)
・イベントで「はい/いいえ」のような選択肢分岐処理が全くできない
・オリジナルのパラメーターや変わった処理を導入することができない
他にもまだ色々ありますが(笑)、まあツクール黎明期のソフトということもありますし(というか『ツクール』とタイトルにつくようになったのも、スーパーファミコン版の『RPGツクール SUPER Dante』から)、仕方ないのかな(´・ω・`)
そんなわけで、どうしてもゲームバランスの調整がしにくいシステムではあるんですが……。
このゲームも、やはり今遊ぶと、もうちょっと簡単にしてサクサク進めるような調整にしてくれればよかったのに、とは思っちゃいますね。
「ゲームバランスが崩壊してる」と言われた某ゲームを作った僕が偉そうに言えることでもないですが(´゚艸゚)∴
グラフィック的には(当時プロのグラフィッカーさんではなかった人がドットを打ったと思われる割には)けっこうよくできている印象です。
まだゲーム的には前半部分もいいところだと思うので、ストーリー等に関しては最後まで遊んでみないと何とも言えないところですが……。
「封印された魔人の復活を防ぐために、勇者の末裔たちが散らばった重要アイテムを集める」という設定は、ベタでありがちではありますが、個々のイベントでは「おっ」と思える展開もあったりするので、悪くはなさそうな感じです。
コンテストで賞をとって商品化されるほどすごい出来か、と言われると、現時点での印象は正直微妙なところではありますが……。
最後までプレイしてみたら面白い展開が待っていて、印象が覆ったりすることもあるかもしれないので、それを期待して、これも頑張ってラストまで遊んでみようと思います(´・ω・`)
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